音楽最高!サカナクション初TDCホールで新旧ナンバー連投

43

555

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 225 366
  • 102 シェア

サカナクションの全国ツアー「SAKANAQUARIUM2014"SAKANATRIBE"」の東京・TOKYO DOME CITY HALL公演が、3月15日と16日の2日間にわたり開催された。この記事では初日の15日公演の模様をレポートする。

3月15日に行われたサカナクション「SAKANAQUARIUM2014"SAKANATRIBE"」TOKYO DOME CITY HALL公演の様子。(撮影:石阪大輔[hatos])

3月15日に行われたサカナクション「SAKANAQUARIUM2014"SAKANATRIBE"」TOKYO DOME CITY HALL公演の様子。(撮影:石阪大輔[hatos])

大きなサイズで見る(全15件)

1月中旬から始まった今回のツアーでサカナクションは、新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストを組み、各地で山口一郎(Vo, G)曰く「0から100」をテーマにしたステージを展開。SEとして流れていた環境音が止み場内が暗転すると、スポットライトが落ちるステージに岩寺基晴(G)、草刈愛美(B)、岡崎英美(Key)、江島啓一(Dr)が姿を見せた。4人が音合わせを始めたのを合図に山口が登場し、客席に背を向けると指揮者のように手を上げる。するとステージのライトが消え、場内が闇に包まれた。同時に観客の耳に入ってきたのは、小さなギターの音。そこに少しずつ岡崎や草刈が奏でる旋律が重なり、壮大なバンドサウンドが紡がれていく。並行してステージが青く染められ、メンバーの姿があらわになった。ドラマチックなオープニングに観客が沸き立つ中、四つ打ちのビートを軸に「サンプル」がスタート。山口の歌声には大胆なエフェクトがかけられ、楽器の一部のように会場に響く。彼は「自由に踊ろう!」と叫ぶと、気持ちよさそうにメンバーの奏でるアンサンブルに体を揺らした。

それまでほんのり緊迫していた空気は、山口の言葉で雲散。「アルクアラウンド」でオーディエンスは拳を高く突き上げ、5人の奏でる音楽に身を委ねる。熱狂する観客を前に山口は「ありがとう!」と叫び、メンバーも満足げな表情を浮かべる。そして5人は、バンドサウンドを全面に押し出した「セントレイ」、いなたい電子音が独特の雰囲気を醸し出す「表参道26時」、草刈によるドライブ感のあるベースが光る「哀愁トレイン」などをノンストップでプレイした。

会場の空気が一変したのは、「エンドレス」から始まったブロック。深淵なサウンドが描き出された「シーラカンスと僕」のあとに披露された「流線」では、サカナクションのライブではおなじみのオイルアートがステージのうしろに投影される。シリアスで重厚なアンサンブルにあわせて、宇宙空間を思わせる映像が観客を釘付けにする。曲のラストでスクリーンは黒く染められ、次の「ユリイカ」になめらかに移った。同曲では、この日のライブの会場外の様子などを写したモノクロの写真がスクリーンに映し出される演出を導入。また曲の序盤で抑え気味だった山口の歌声はサビに近付くと徐々に熱を帯び、ラストでは堰を切ったようにエモーショナルに響き、オーディエンスを圧倒した。

「さあ一緒に踊ろう!」と山口が叫んだことを機に、再びダンサブルなナンバーやライブが連発されるブロックへ。山口と観客が同じ振り付けで踊った「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」、トライバルなリズムときらびやかなシンセが絡み合う「インナーワールド」などボルテージの高いナンバーに場内は高揚した空気で満たされる。赤を基調とした刺激的なオイルアートの映像をバックに演奏された「SAKANATRIBE」では、山口がステージの前方に移動。彼は再び「自由に踊ろう!」と呼びかけると、フロアの熱狂を煽るように「夜の踊り子」「アイデンティティ」を息つく間もなく投下した。「アイデンティティ」の終盤で山口は観客の盛り上がりを賞賛するように親指を立て、「いくぜ!」とシャウト。そしてバンドは無数のレーザーが飛び交い、照明が激しく明滅する中で本編ラストの「ルーキー」をパフォーマンスした。

「ありがとうございました。サカナクションでした!」という山口の挨拶を経て数分後、「Ame(B) -SAKANATRIBE MIX-」でアンコールがスタート。暗闇の中でふいに大きな雨音がスピーカーから流れ出し、ラップトップコンピュータや機材を乗せたテーブルが運び込まれる。そしてバイザーを着用した5人の影が浮かび上がると、オーディエンスは熱狂的な歓声をあげた。鮮やかなライトが会場全体を照らし、天井から雪のような泡が降り注ぐ中、観客は強烈なビートにあわせてフロアを揺らす。「ミュージック」ではバンドセットに早変わりするおなじみの演出を挟んだのち、荘厳なコーラスが圧巻の「Aoi」へとつなげられた。

その後のMCコーナーで山口は、開口一番「最高!」と笑う。「みんなすごいですね。音楽最高!」と述べ、メンバー紹介を兼ねつつトークを繰り広げた。山口は今回のツアーで「0から100」をテーマに、音の出し方、曲のつなぎなどを考慮したことを説明。オープニングで生ギターの音がPAの手によってスピーカーから流れるまでの過程を提示したことや、ライブ中は照明の手によって感情をコントロールされていることを述べ、「いいライブをする人たちってチームがいいんだなって納得してます」とチームサカナクションの仕事ぶりを紹介した。そして2013年の活動を通して、オーディエンスに子供や親子連れが増えたことをうれしそうに報告。さらに「ライブがホームなんですよ。ここにみんなを呼びたい。これを体験してくれたら何かが変わる気がする。いつかサカナクション主催のレイブパーティをやりたくて。『SAKANATRIBE』ってやつ」と今後の展望についても明かした。

ラストを飾ったのは、観客に別れを告げるように披露された「グッドバイ」。ノスタルジックで切ないアンサンブルが場内を満たし、最後は5人による穏やかなコーラスがライブの終わりを告げた。

なお2日間にわたるTOKYO DOME CITY HALL公演を終えたサカナクションは、山口の急病のため延期していた仙台公演の振替公演を3月28日と29日に開催。ツアー終了後は「VIVA LA ROCK」や「TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014」といった春フェスに出演する。

サカナクション「SAKANAQUARIUM2014"SAKANATRIBE"」
2014年3月15日 東京都 TOKYO DOME CITY HALL 公演セットリスト

01. サンプル
02. アルクアラウンド
03. セントレイ
04. 表参道26時
05. 哀愁トレイン
06. Klee
07. エンドレス
08. シーラカンスと僕
09. 流線
10. ユリイカ
11. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
12. インナーワールド
13. 三日月サンセット
14. SAKANATRIBE
15. モノクロトウキョー
16. 夜の踊り子
17. アイデンティティ
18. ルーキー
<アンコール>
19. Ame(B) -SAKANATRIBE MIX-
20. ミュージック
21. Aoi
22. グッドバイ

この記事の画像(全15件)

読者の反応

ビクターエンタテインメント @VictorMusic

先週末3/15(土)に行われたライブのレポートが公開されました!写真も多数掲載して頂いています!!→ナタリー - 音楽最高!サカナクション初TDCホールで新旧ナンバー連投 http://t.co/6f78Kg477B #sakanaction

コメントを読む(43件)

関連商品

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 サカナクション の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。