VAMPSハロウィン初日に女海賊HYDE見参

VAMPSによるライブイベント「HALLOWEEN PARTY 2014」の関東公演が、10月17～19日に幕張メッセ国際展示場9～11ホールにて開催された。この記事では初日17日の模様をレポートする。

いまやすっかりハロウィンの恒例イベントとして定着したVAMPSの「HALLOWEEN PARTY」。今年も常連から初登場アーティストまでさまざまなアーティストが顔を揃え、オーディエンスも思い思いの仮装に身を包み出演者たちのパフォーマンスを味わった。初日に登場したのはイベントのホストであるVAMPS、「HALLOWEEN PARTY」のレギュラーDAIGO、幕張公演へは初参加となる氣志團、最年少出演者となるももいろクローバーZと、豪華編成によるHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAの5組。この日はアニメ「妖怪ウォッチ」の人気キャラクター・ジバニャンの声優でおなじみの小桜エツコのキュートなアナウンスが会場を盛り上げる中、トップバッターとしてももいろクローバーZが登場した。

のどかなBGMに乗せてステージに現れたのは白雪姫に扮した百田夏菜子。彼女は「なんて楽しんでしょう！」と会場を見渡し、「鏡よ鏡、鏡さん。世界一美しいのは誰？」と問いかけ、観客に「白雪姫！」と答えさせるコール＆レスポンスを実施する。すると陽気な「ハイ・ホー」に乗せて、小人に扮した佐々木彩夏、玉井詩織、有安杏果、高城れにの4人が登場。5人は軽妙なやり取りを繰り広げ、途中で「ゴリラって全員B型なのに性格はみんな違うんだよー！」と百田が叫ぶと、高城が突然「ウホッ！ ウホッ！」とゴリラの真似をし始めた。何が始まるのかと誰もが思ったとき、「ウホッ！」という声が「ゴホッ！ ゴホッ！」という咳へと変わり「黒い週末」がスタート。5人はフロアに作られたランウェイに飛び出し、激しい動きで観客を煽っていく。「サラバ、愛しき悲しみたちよ」が終わったところでメンバーは「クオリティハンパないね！」「VAMPSさんのステージに出させていただいてうれしいね。楽しいね！」と口々に語り、「ハイ・ホー」のメロディに乗せて「ハロウィン ハロウィン お菓子をくれ」と手をつないで回りながら歌い上げた。その後、ハイボルテージな「BIONIC CHERRY」と、ファンタスティックな会場の雰囲気にぴったりな「月と銀紙飛行船」で会場を盛り上げた5人。ライブが終わったあとも彼女たちは降りていく幕の間から手を振り続け、オーディエンスとの別れを惜しんでいた。

2番手は「HALLOWEEN PARTY 2014」全公演に参加するDAIGO。「ルパン三世」のテーマが高らかに流れる中で幕が上がると目に入ってきたのは、ステージに浮かぶ5つのシルエットだった。赤いジャケットと黄色いネクタイ姿のルパン三世に扮したDAIGOの姿がスクリーンに大映しになると歓声が響きわたる。DAIGOは「行くぜ、とっつぁん！ 楽しんでいこうぜ」とルパンの声真似をしながら叫び、1曲目の「無限∞REBIRTH」で会場の熱気を一気に引き上げた。DAIGOは「今年もこの1年でもっとも楽しみにしてるシーズンがやってきました！」と「HALLOWEEN PARTY」の開幕を喜び、これまではコミカルな仮装が多かったが今年は「ちょっとカッコつけたい」をテーマとして掲げていることを明かした。そして、紫の照明が映えるダンサブルな「BUTTERFLY」、チャーミングなラブソング「心配症な彼女」、アップテンポな「CHANGE !!」をランウェイを練り歩きながら熱唱。オーディエンス以上にイベントを楽しんでいる様子で、最後は恒例の「ハロウィン最高うぃっしゅ！」というシャウトで出番を終えた。

なお幕間の企画も毎年好評の「HALLOWEEN PARTY」だが、今年もオーディエンス参加型のファッションショー「HALLOWEEN COLLECTION」やカラオケ大会、さらに初開催となるオーディション企画「THE ROAD TO HALLOWEEN PARTY 2014」で選ばれたアーティストのパフォーマンスが行われた。初日の「HALLOWEEN COLLECTION」には修道女に扮した分島花音と、スタイリッシュなドラえもんになったShinya（DIR EN GREY）がスペシャルゲストとして登場し、カラオケ大会では青木隆治がこの日限りのスペシャルステージを展開。青木はHYDEとマイケル・ジャクソンのモノマネを融合させたパフォーマンスで喝采を浴びていた。

イベントの中盤戦に起爆剤として登場した氣志團は、物々しいサイレンをとともに「房総スカイライン・ファントム」からライブの口火を切る。シリアスなサウンドと威勢のいい掛け声が響くも、舞台はまばゆい光に包まれ、メンバーの衣装はベールに包まれた状態。誰もが興味津々でステージを凝視する中、「One Night Carnival」のイントロとともにステージの全貌が明らかになると、そこには日本エレキテル連合のネタ「未亡人朱美ちゃんシリーズ」の朱美ちゃんのメイクと衣装を着用した6人の姿があった。観客は大爆笑しながら、予想外の仮装と情熱的なパフォーマンスを堪能。綾小路翔（Dragon Voice）は随所で「だめよ、ダメダメ」を連呼し、早乙女光（Dance & Scream）はロボットのようなカクカクした動きで踊り、見事に朱美ちゃんになりきっていた。綾小路は「はいっ、というワケでございまして出落ちです！ この先、この人たちどうするんだろうと思ったら、ダメよ、ダメダメ！」と自虐的なトークで観客を笑わせ、“細貝さん”に扮した微熱DANJIを交え「喧嘩上等」と「SUPER BOY FRIEND」で会場を盛り上げる。しかし「やっぱり知らない曲やっても仕方がない！」ということで、EXILEのヒット曲「Choo Choo Train」をカバー。あまりの盛り上がりに調子に乗った綾小路は「やべえ、超気持ちいい！ もう1曲いいよな？」とHYDEが作曲を手がけたNANA starring MIKA NAKASHIMAの「GLAMOROUS SKY」を堂々と歌い始める。しかし、持ち時間オーバーのため、途中でスタッフに担ぎ上げられ強制退場に。あとには綾小路の「俺に歌わせろ！ 俺は世の中を変えたい！」という悲痛な叫びが響いた。

「HALLOWEEN PARTY」の主役VAMPSは海賊をモチーフにした衣装でライブを敢行。Arimatsu（Dr）はスカルメイクの海賊、JIN（Key）はバイキング、Ju-ken（B）は巨漢の囚人、K.A.Z（G）はキャプテンハーロックと凝った仮装に身を包み、順番にステージへ足を運ぶ。そして金髪のウィッグに、赤を基調としたフリルをあしらったドレス、黒のロングブーツに網タイツという妖艶な女海賊に扮したHYDEは客席から登場。悲鳴のような歓声が上がる中、会場をひとつにまとめあげるようにパーティチューン「THE JOLLY ROGER」からライブを開始した。ニューアルバム「BLOODSUCKERS」のリリースを控えたVAMPSは、ライブの定番曲だけでなく「VAMPIRE'S LOVE」「BLOODSUCKERS」といったアルバムからの新曲を織り交ぜたセットリストをベースにパフォーマンスを披露。HYDEは「VAMPSはいつもと違うんだよ。それはアルバムができて超吹っ切れてるから！」と笑顔を浮かべていた。ライブの後半では死神を思わせるパフォーマーたちのアグレッシブな動きを横に、HYDEがフロートの上に乗って熱唱したり、K.A.Zが豪快にギターをかき鳴らしながらランウェイを練り歩く。ド派手な演出の数々が目を引く中、初日のVAMPSのライブは「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」で幕引きとなった。

この日限りのHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAには、VAMPS、DAIGO、氣志團のほか、Tommy heavenly6、逹瑯（ムック）、明希（シド）、分島、青木、Shinya、Anis（MONORAL）、ROLLYが参加。ライブアクトの面々の仮装も観客を魅了したが、この日はかわいらしい“クレイジーゾンビ”の衣装に身を包んだTommy heavenly6、特殊メイクでスタイリッシュなジバニャンに扮した逹瑯、レディー・ガガに仮装した明希も熱い脚光を浴びた。HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAのブロックでは、HYDEのワガママな指揮が演者を翻弄する「Penalty Waltz」のセッションや、間違えると罰ゲームを課されるリズムゲームが行われた。そして最後は豪華な面々によってイベントのテーマ曲である「HALLOWEEN PARTY」が披露され、4時間半におよんだ「HALLOWEEN PARTY 2014」の初日はクライマックスを迎えた。