PIERROT復活「心の底から最高のバンド」

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今年の4月12日に突如再結成を発表したPIERROTが、10月24日と25日の2日間にわたり埼玉・さいたまスーパーアリーナにてライブ「DICTATORS CIRCUS FINAL」を開催。約8年半ぶりにファンの前でライブを行った。

PIERROT「DICTATORS CIRCUS FINAL -I SAID『HELLO』-」の様子。

PIERROT「DICTATORS CIRCUS FINAL -I SAID『HELLO』-」の様子。

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2006年4月12日に突如オフィシャルサイトで解散を発表し、ファンに衝撃を与えたPIERROT。その後はキリト(Vo)、KOHTA(B)、TAKEO(Dr)の3人はAngelo、アイジ(G)はLM.C、潤(G)はALvinoのメンバーとしてそれぞれ音楽活動を継続してきた。そして8年のときを経て、5人はPIERROTとして再始動することを発表。復活公演となった初日の「DICTATORS CIRCUS FINAL」は「-I SAID『HELLO』-」と銘打って実施され、彼らとの再会を待ちわびたピエラー(PIERROTファンの愛称)を熱狂させる2時間半となった。

喜びに満ちた歓声が響きわたる中、ステージを覆う紗幕にメンバーのシルエットが浮かび場内の熱狂が加速していく。そして艶かしい歌声とソリッドなバンドサウンドに乗せて、「HELLO」からライブの幕が上がった。復活公演にふさわしくセットリストは、初期曲から解散直前の楽曲までを網羅。イントロが鳴るたびに悲鳴のような歓声があちこちで上がり、オーディエンスの興奮と熱狂を伝える。キリトは序盤からステージをくまなく動き回り、潤やアイジに絡んだり、「やり方わかってんのか? ぶっ壊すぞ」と観客を挑発したり、オーディエンスの狂騒を煽動していく。

PIERROT「DICTATORS CIRCUS FINAL -I SAID『HELLO』-」の様子。

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序盤は少し固かったメンバーのプレイだが、立て続けに楽曲を披露する中で徐々に解放された雰囲気に。「REBIRTH DAY」でキリトはモニタの上に腰をかけ、歌詞を噛み締めるように歌い上げる。中盤に差し掛かると、紫に染まった空がビジョンに映し出された「PURPLE SKY」、鮮やかな花びらの映像が彩りを添えた「COCOON」といった叙情的なナンバーが続いた。

11曲がほぼノンストップで披露されたあと、初めてMCらしいMCが行われる。キリトは「会いたかったぜ」と口にするも、「どうしてだろう。ひさしぶりという気がしないんだよ」とブランクを感じていない様子。さらに生中継が入っていることにも言及し、「懲りずに生中継入ってるからね。でも大人になったつもりですし、丸くなったと思います。昔のようにひどいことはしない(笑)」「8年ぶりの再会を楽しみたいと思います」と力強く述べた。

後半の幕開けを飾ったのは「AGITATOR」。キリトの咆哮やヒステリックなサウンドのギターが、明滅するライトや敬礼する軍人の映像にあわせて響きオーディエンスを煽る。さらに、不穏なサウンドとともに火炎が盛大に上がった「ゲルニカ」、KOHTAの跳ねるようなベースを軸に不気味なアンサンブルが展開した「MAD SKY -鋼鉄の救世主-」とアグレッシブなナンバーを畳み掛け、場内の温度を引き上げていった。キリトは「気の利いたことが言えない」と言いながらも、メンバーが解散後それぞれに戦ってきたからこそ、再び5人でステージに立ち、ファンと再会できたことを明かす。その感慨を表すように5人は「MYCLOUD」「ATENA」「CREATURE」の3曲を全力で投下すると、大歓声に見送られて一旦ステージをあとにした。

「THE LAST CRY IN HADES (NOT GUILTY)」から始まったアンコールでも、5人はオーディエンスに期待に応える熱演を披露。特に会場を酔わせたのは、アンコールの3曲目を彩った「HILL -幻覚の雪-」だった。天井から雪のような細かで白い泡が降り注ぐ中、5人が紡ぎ出すメランコリックなサウンドが会場を彩っていく。曲の終わりにキリトが穏やかな声で「ありがとう」と口にすると、厳かな拍手が5人に贈られた。

PIERROT「DICTATORS CIRCUS FINAL -I SAID『HELLO』-」の様子。

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なお序盤は緊張した空気も漂っていたが、アンコールではほのかにリラックスした雰囲気に。特にメンバー紹介を兼ねたMCは、各々が再びPIERROTとしてライブをできる思いにふけりつつ、潤が観客に投げキッスを飛ばしたり、アイジがマイペースな発言をしたりと和やかに進行。キリトは「しょっぱなから今日は楽しんでます。ひさしぶりな気がしないのはどうしてだろう、被ってるからかな?」とジョークを交え、改めて解散から8年間の軌跡を振り返り「心の底から最高のバンドだと思います。夢を見てるような素敵な気持ちで歌ってます」としみじみと語った。

キリトの「言葉はいらないでしょうから……」という言葉を機に、「満月に照らされた最後の言葉」からライブはクライマックスに突入した。「*自主規制」「蜘蛛の意図」という人気の高い楽曲を経て、ラストナンバーとして選ばれたのは「SEPIA」。同曲は2006年4月に東京・日比谷野外大音楽堂にて行われたライブでもラストを飾ったナンバーだが、この日は当時とは異なる意味合いで響いていた。

「すごい楽しかった。今日、満足したんで明日は中止したいと思います(笑)。月日が経ったとになんの成長もなくてすいません」というキリトのジョーク混じりの発言や、潤の「愛してるぞ!」のシャウトをもって2時間半にわたったライブはフィナーレへ。メンバーはお互いに声を掛け合い、ハイタッチをしたり、触れ合ったりしながら観客に別れを告げる。最後にキリトがマイクを通さず、「どうもありがとう!」と叫び初日公演に幕を下ろした。

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PIERROT「DICTATORS CIRCUS FINAL -I SAID『HELLO』-」
2014年10月24日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

01. HELLO
02. PIECES
03. PSYCHEDELIC LOVER
04. ENEMY
05. Adolf
06. 脳内モルヒネ
07. トリカゴ
08. 壊れていくこの世界で
09. REBIRTH DAY
10. PURPLE SKY
11. COCOON
12. AGITATOR
13. ネオグロテスク
14. ゲルニカ
15. MAD SKY -鋼鉄の救世主-
16. MYCLOUD
17. ATENA
18. CREATURE
<アンコール>
19. THE LAST CRY IN HADES (NOT GUILTY)
20. 鬼と桜
21. HILL -幻覚の雪-
22. 満月に照らされた最後の言葉
23. *自主規制
24. 蜘蛛の意図
25. SEPIA

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