ナタリー PowerPush - GARNiDELiA

「魔法科高校の劣等生」とメイリア&tokuの2ndシーズン

GARNiDELiAが2ndシングル「grilletto」をリリースした。

今回のシングルの表題曲は現在放送中のアニメ「魔法科高校の劣等生」の第2期オープニングテーマ。デジタルデバイスを通じて魔法を発動させるというアニメの世界に寄り添った、デジタル感、打ち込み感の強いクールなギターロックサウンドに仕上がっている。

デビューシングル「ambiguous」において、テーマソングに採用されていたアニメ「キルラキル」になぞらえ“泥臭い”ロックを作ったと語っていた彼らが、今作では一転“スタイリッシュ”なロックをドロップ。その変幻自在のサウンドメイク術に迫った。

取材・文 / 成松哲

「忙しすぎて楽しい」メジャーデビュー

──前回のインタビュー(参照:GARNiDELiA「ambiguous」インタビュー)ではそれぞれオーバーグラウンドで活躍してきたお2人がGARNiDELiAとして改めてメジャーデビューする意味や意義を伺ったんですけど、実際、デビューしてからここまでっていかがでした?

メイリア(Vo)

メイリア(Vo) ぎっしりボリューミーな4カ月でしたね。……って自分で言ってて今、気付いたんですけど、たった4カ月しか経ってないのか! そのくらい濃い時間、スピード感のある時間を過ごさせてもらってます(笑)。

──tokuさんは?

toku(Key, Compose) メイリアと同じですね。もともと編曲家なので、いろんなシンガーさんやバンドさんとお付き合いさせていただいているんですけど「アーティストさんって忙しそうだなあ」っていう場面を目の当たりにする機会がけっこうあったんですよ。で、いざ自分がメジャーデビューしてみたら「ああ、あの忙しさってこれだったのか」と。皆さんの大変さを今さらながらに実感させてもらってます(笑)。

──確かにスケジュールを見るだにお忙しそうですよね。「ニコニコ超会議3」や「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」でのライブ、インドネシアでの「Anime Festival Asia Indonesia 2014」みたいなイベントやフェスに頻繁に呼ばれているし、あとメイリアさんはじんさんのアニメ「メカクシティアクターズ」のオープニングテーマ「daze」のゲストボーカルも務めているし。

メイリア 目まぐるしい毎日を過ごさせていただいてます(笑)。ただそれってすごくうれしいことだなって思いますし、なんか楽しいですね。

toku ヒマなのよりはいいよね(笑)。

メイリア いやもうなんか「忙しすぎて楽しい」みたいな(笑)。私、Mなのかな?

じゃあいつも通りのGARNiDELiAにしますか

──そんな状況下にあって、さらにニューシングル「grilletto」もリリースする、と。ちょっと品のない話なんですけどデビュー作「ambiguous」はオリコン週間シングルランキングで最高15位、iTunes Storeのダウンロードランキングでは1位。ぶっちゃけた話“売れた”わけです。

メイリア ありがとうございます(笑)。だから今回のシングルを作ってるときには「期待を裏切らずにがんばっていきたいな」っていうことを考えてました。

──正直な話、「ambiguous」って勝算ってありました?

toku ここまでの結果を残せるとは思ってなかったですね。「キルラキル」の後期オープニングテーマとしてオンエアされ始めた頃からそこそこ反響をいただいていたので「あっ、ちょっといい感じかも」みたいな感触こそありましたけど……。

メイリア 自信満々ではなかったですよね。「大丈夫か?」みたいな気持ちも強くて。でも皆さんが受け入れてくれた。それがうれしかったし「がんばろう」って思えた理由なんだと思います。

──で、その「grilletto」なんですけど、前回tokuさんは「ambiguous」は「キルラキル」という熱いアニメのテーマソングだからちょっと泥臭いギターロックを目指したと言っていました。で、今回の楽曲は「ambiguous」とトーンやマナーは一緒なんだけど、デジタル感強め。クールなサウンドに仕上がっています。これはサイエンティフィックな「魔法科高校の劣等生」のテーマソングだから?

メイリア 確かに「魔法科高校の劣等生」がCGを駆使したデジタル感の強いアニメだったからスタイリッシュな方向、クールな方向に寄せたっていう面もあるんですけど、実は「ambiguous」のほうがGARNiDELiAにとっては異色だったんですよね。「キルラキル」のオープニングだから泥臭くしてみたけど、今回はむしろ「じゃあいつも通りのGARNiDELiAにしますか」っていう感じではありましたね。

toku うん。ギターとシンセの両方を使うアーティストさんやバンドさんの場合、どっちにメインのバッキングをやらせるかっていうところでけっこう悩まれると思うんですよ。ギターをジャーンってコード弾きしたときの音と、シンセをパーッと鳴らしたときの音って、どっちも同じコードを弾いている以上、周波数帯域もほぼ同じになるので。だから一方を採らざるを得ないことが多くなると思うんですけど、GARNiDELiAはそのギターとシンセの両立を目指しているんです。で、特に今回はその両立がうまくできた。だから「ambiguous」よりもクールに聞こえるんでしょうね。

ニューシングル「grilletto」 / 2014年7月30日発売 / DefSTAR RECORDS
初回限定盤 [CD+DVD] 1620円 / DFCL-2074
通常盤 [CD] 1296円 / DFCL-2076
期間生産限定盤 [CD+DVD] 1620円 / DFCL-2077
CD収録曲
  1. grilletto
  2. LOVE or GAME
  3. キミとボクが出会う確率
  4. grilletto(instrumental)
  5. grilletto TV Size ver.(※期間生産限定盤のみ)
初回限定盤 DVD収録内容
  • 「grilletto」Music Video
期間生産限定盤 DVD収録内容
  • 「魔法科高校の劣等生」オリジナル映像
ワンマンライブ「stellacage」

2014年10月2日(木)東京都 TSUTAYA O-WEST

GARNiDELiA(ガルニデリア)
GARNiDELiA

アニソンシンガーなどとして活躍するメイリア(Vo)と、アンジェラ・アキ、LiSAらのアレンジャー、ボカロP「とく」などの横顔を持つtoku(Key, Compose)からなるユニット。2010年、共通の知人を介して知り合い、オリジナル曲「ARiA」を動画共有サイトに投稿。toku作編曲、メイリア歌唱のアニメ「フリージング」オープニングテーマ「COLOR」を発表したのと前後して、ユニット結成を宣言する。以来ハードロック由来のヌケのいいギターロックから、ダンスミュージックまで幅広い楽曲群をネットで発表する一方で、2010年末にはミニアルバム「ONE」をインディーズで発表。さらに翌年には東京・JCBホール(現・東京ドームシティホール)での「ニコニコ大会議Final」や、中国・上海での「舞動漫櫻楽祭~ANIME ROCK CONVENTION~」など国内外でのイベントに招聘されるなど、国内外で高い人気を獲得する。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビュー。そして同年7月、アニメ「魔法科高校の劣等生」後期オープニングテーマ「grilletto」を発表した。