自分が持っているすべてをベスト盤に

──すでに4月で卒業することを発表するりょーくんにとって（参照：りょーくん3月にラストアルバム発表、歌い手卒業へ）、今回のベスト盤はまさにキャリアを総括した作品になっていると思います。収録曲をズラリと並べてみてどういう気持ちになりましたか？

僕にとってアルバムリリースは今回が4枚目で、これまでの3枚とコンピレーションアルバムの収録曲からベスト盤に入れる曲を絞り込んでいったんですけど、5年ほどの活動で本当にいっぱいレコーディングしてきたんだなあとしみじみ思いました。こうやって曲順のリストを見て、やっぱり僕の集大成的な作品になったなと実感しています。今、自分が持っているすべてをこのアルバムに込めたと言えますから。

──収録曲はどういう基準で選んだんですか？

思い入れの強い曲を中心に選んでいます。あとは「歌い直したいな」と思った曲もいくつか入れました。思い入れが強い曲の中にはあえて歌い直さず、当時のテイクをリマスターしただけの曲もありますね。

──なぜ歌い直さなかったんでしょうか？

技術的には今のほうがうまく歌えるんですけど、未熟ながらも過去の自分にしか表現できなかったものがやっぱりあるんですよね。「風待ちハローワールド」とか「Blackjack」はそう思って当時のテイクを残しています。

──一方で新録した曲もかなり多いそうで。

新録したのが10曲くらいあって、作業量的には今までのアルバムとあんまり変わらないんですよね。僕にとっては新しいアルバムを作った感じに似ています（笑）。

最後だってことを忘れるようなステージに

──今作がりょーくんにとってラストアルバムになるわけですが、なぜ歌い手を卒業するのでしょうか？

すみません。今はまだ何も言いたくないんです。

──歌い手卒業後のことについても明かせないんですか？

そうなんです。今は4月のワンマンライブに向けてがんばるだけですとしか。

──わかりました、質問を変えましょう。アルバム発売後に東名阪の3都市で「LAST LIVE TOUR 2015 -Re:set-」が行われますが、これはどういうライブになるんでしょうか？

今まで応援してくれてたお客さんは、やっぱり寂しい気持ちでライブを観に来ると思うんです。でもお客さんの寂しさが一瞬で吹き飛ぶような、すごく楽しいライブにしたいんです。観ている間は、最後だってことを忘れちゃうようなステージにできないか、今からいろいろ考えています。