声が本当に魅力的

──なぜこういう組み合わせでご登場いただいたかというと、剛力さんが清水さんの熱心なリスナーだそうで。

剛力　はい。大ファンです（笑）。

清水　ありがとうございます。

──ファンになったのはいつ頃、何がきっかけだったんですか？

剛力　最初は、高校生のときに友達がカラオケで歌ってたのを聴いたんです。「『アイシテル』」とか「HOME」だったかなあ。そのときはまず歌詞がすごい！と思いました。

清水　今日はこういう、褒められるのを聞いてる感じなんですね（笑）。

剛力　それから「Journey」（2010年3月発売の2ndアルバム）を聴いて、ほかのも気になって調べ出して、ハマりました。イントロでわかるくらい聴いて覚えて私もカラオケで歌うようになりましたね。それまではどっちかっていうと、特定のアーティストさんというよりいろんなアーティストさんのいい曲をかいつまんで聴くという感じだったんですけど、翔太さんの曲は全部聴きましたね。

──その後ライブなどで直接お会いして好意を伝えたと。

清水　そうですね。そう言われると、やっぱりありがたいですよね。僕、人見知りだし、友達もあんまりいないんで（笑）。剛力さんも音楽をされてますから、音楽で何か一緒にやれたらいいなと思います。

──剛力さんは、清水さんの音楽のどんなところに惹かれたんですか？

剛力　ご本人がいる前で言うの恥ずかしいですけど（笑）、声が本当に魅力的で。最初に聴いたとき、すごく印象的な、優しくていい声だと思いました。それから歌詞も好きです。歌詞を見て改めて聴くとより共感できるし、自分を強くさせてくれる歌が本当に多いと思います。

清水　照れますね（笑）。

──女性の琴線に触れる歌詞を男性の清水さんが書くのは、一見難しそうに感じますが。

清水　僕は……女性が何を考えてるかとか、何を言われたいかとか、どう思われたいかっていうのを常に考えてるんです。それは音楽だけじゃなくて、友達の間でもそうだし、恋愛でもそう。やっぱり普通にしてたら女の子の気持ちって全然わかんないんですよ、男からは。でも音楽を作る者として、自分の音楽を聴いてくれる人の多くはおそらく女性で、それなら女性の気持ちを理解するのは必要なことだと思うので、女の子は何を言われたいんだろうとか、何をされたらうれしいんだろうとか、いつも気にしますね。で、その想像の一番絵になるところを音楽として出すという感じですね。

──女性の気持ちって、具体的に何をするとわかるようになるんでしょうか。

清水　うーん……やっぱり、観察することじゃないですか？ それでその人の気持ちを察する。僕に限らず、詞を書くような人は人間観察がすごい大事だと思います。

剛力　私も人を見るのは好きですね。小さい頃から人見知りだったので、観察して、話せるなと思ったら話すようにしてます。

“特に好きな曲”がこんなに出てきちゃってどうすればいいですか？

──剛力さんは、今回リリースされる清水さんのベストアルバムを聴いていかがでしたか？

剛力　いちファンの目線から、すごいうれしいシングルベストだなっていう。もちろん全部知ってましたけど、最初に選曲を見たときに「最高！」って言いました、私（笑）。もともと曲を知ってる人も、こうして改めて聴き直すと、時を重ねて感じ方が変わって「あれもいいな」って新しく思うかもしれないですよね。

──特に好きな曲があったら教えてください。

剛力　うふふ（笑）。私、「DREAM」が好きなんですよ。でも「桜」も好きで……でも「YOU & I」も好きなんです。うーん「マダオワラナイ」も好きなんだよなあ。言ってしまえば全部なんですけど（笑）。

清水　はははは（笑）。

剛力　「君が好き」は、ライブでも何回か観させていただいて印象に残ってますね。この曲はライブで、翔太さんが1人のファンの方をじっと見てサビを歌われるんですけど、あれがもう衝撃的で。ファンとして「いいなあ」っていう気持ちと、アーティストとして「カッコいいな」って思う気持ちと。自分でもやってみたいなとか考えちゃいましたけど、まだ勇気がないですね。

──清水さん、また照れてますね。

清水　（はにかみながら）はい（笑）。

剛力　ああ、「SNOW SMILE」も好きなんです私。どうすればいいですか？ 「特に好きな曲」って聞かれてこんなに出てきちゃって（笑）。

清水　うれしいですね。

剛力　「SNOW SMILE」の、「『ただいま』『おかえり』」って毎日当たり前に言ってることが実は特別なんだっていうメッセージがすごく好きで。これを聴いて、なんかすごくホッコリしました。好きな人と離れてても強くなれるというか。

清水　この曲は遠距離恋愛がテーマで。僕は冬って遠距離恋愛をイメージするんですね。同じテーマで、会えない恋人たちの切なさを書いた「冬が終わる前に」っていう曲もありますし。で、「冬が終わる前に」から時が経って、また遠距離恋愛の曲を書こうとしたとき、今度は逆に会える喜びを書きたいなと思って。遠距離という観点だからこそ書ける、“会う喜び”っていうのがあるはずだなと思ったときに、「『ただいま』『おかえり』」ってフレーズが出てきたんです。そんなふうに普通じゃない視点から考えるのは、詞を書く上でけっこう大事なことだと思います。

──普通じゃない視点から考える？

清水　普通の恋人たちは会うっていうのが当たり前で、でもその“会う”ことが何よりも幸せなカップルもいるんだろうなって。そういうふうに感情移入してもらえば、遠距離恋愛していなくてもお互いの存在の大切さをもう一度見直すきっかけになるかな、と思いながらこの曲を書いてました。

剛力　そういうお話を知った上で聴くと、また新鮮に感じますね。

清水　この曲、実体験もけっこう入れてるんですよ。僕は遠距離恋愛の経験があるんで定期的に書きたくなるんです。（歌詞と同じく）実際に相手にテディベアあげましたし。

剛力　えーそうなんですね！

清水　大丈夫ですか？ テディベアをあげるっていうセンス（笑）。

剛力　バッチリだと思います！（笑）