“グミの実”を食べてた

──田所さんが子供の頃、それも一番小さいときの記憶ってなんですか？

小さいときの記憶……。そういえば、なんか木になってるグミの実みたいなものを友達と食べてました。

──グミの実？

幼稚園の近くに木があって。オレンジ色の実なんですけど、よくわからず「グミの実だ」って言って食べてました。いまだにそれがなんだったのかはわからないんですけど（笑）。幼稚園生か、もっと小さい頃ですね。

──木になってる実を食べるくらいですから、活発な子供だったんですね。

アスレチックのようなところで遊ぶことも多かったし。授業中に抜け出したりもしてました（笑）。あ、でも小学校の低学年のときは運動が苦手で。体力測定みたいなのはずっとF判定だったんですよ。年を追うごとにだんだん運動が得意になって、最終的にはA判定になりました。なんで得意になっていったかは自分でもわからないんですけど（笑）。

──田所さんのプロフィールを見ると特技に「テニス」「書道」とあります。子供の頃から文武両道だったんですか？

テニスも書道もずっとやってたんですけど、文武両道ってほどでもなくて……。私、勉強が本当にダメなんです。体育、家庭科、美術とかは得意なのに勉強だけが面白いくらいできなかったんです（笑）。

「ほっとけなさ」でグランプリに

──活発な性格でスポーツに青春を捧げているアウトドアな人が、インドアなアニメに興味を持ったきっかけはなんだったんですか？

中学の頃から、とにかくいろんな人と話すようになって。そのときにアニメが大好きな子とも仲よくなって、薦められるがまま「涼宮ハルヒの憂鬱」を観たらすごいハマっちゃったんです。その子からいろいろ教えてもらううちにアニメ関係の仕事に興味を持ち始めたのが最初ですね。

──アニメへの興味や関心が、テニスに勝ったということですか？

テニスもずっと好きなんですけど、これって将来の夢とはまったく関係ないものだなっていうのは自分の中にあって。でも声優は私が初めて本気でなりたいと思った職業だったんです。

──世の中には「声優になりたい」と思っても、次の一歩が踏み出せない人は多いと思います。田所さんがその一歩を進むことができたのはなぜでしょうか？

中学生のとき以来、声優になりたい思いが日を追うごとに本気になっていったんです。でも何をどうすれば声優になれるかわからなくてポカーンとしてて、そのまま高校生になっちゃった。どうしようかと思ってたら、通ってた高校の卒業生に中島愛さんがいることを知って。「あ、身近な人で声優になれた人がいるんだ」ということを知り、友達と一緒にいろいろ調べてオーディションを受けてみようってことになったんです。なぜかその友達が私に自信を持ってくれていて、すごく後押ししてくれました（笑）。

──で、オーディションに受かってしまった。

受かっちゃいましたねー。

──田所さんがグランプリを獲得したときの受賞理由に「ほっとけなさがあった」と書かれているんですけど、自分の中で思い当たるところはありますか？

それが謎なんですよ。ただ自分では1つもいいところがないと思っていたのでビックリしたし、うれしかったんですけど。そんなにほっとけない感じありますかね？

──印象としてはわかりますよ。ちょっと犬っぽさを感じさせる性格ですよね？

犬！ それほぼ悪口ですよ！

──いや、悪口ではなく（笑）。

でも、犬っぽいって言われることがすごく多いんです。犬だけならまだしも、「捨てられてる犬みたい」って言われたり。

──「ほっとけない」「犬っぽい」と言われることには納得してないんですね。

そうですよ！ 地に足ついてる性格だと思ってますから（笑）。犬だとしてもドーベルマンくらいの感じですね。