音楽ナタリー PowerPush - THE TURTLES JAPAN

KAMEADA×YAMAMURA×SAKAIが構築する ELECTRONICなHUMANITY

THE TURTLES JAPANが1stアルバム「ELECTRONIC HUMANITY」をリリースした。

プロデューサーの亀田誠治(KAMEDA)、flumpoolの山村隆太(YAMAMURA)と阪井一生(SAKAI)を中心に結成されたTHE TURTLES JAPAN。昨年11月に1stシングル「It's Alright!」がリリースされると、その奇抜なビジュアルと圧倒的にポジティブなメッセージを伝える音楽性に注目が集まった。また、メンバー構成が流動的なことも大きな特長となっており、昨年末からはドラムにレミオロメンの神宮司治(JINGUJI)、キーボードにシンガーソングライターの磯貝サイモン(ISOGAI)を迎えて活動している。

そんな彼らがユニットとしての方向性とアティチュードをより確固たるものとして制作した1stアルバムは、EDMのテイストとバンドサウンドが融合した、ポジティブで高揚感にあふれた内容に。その制作の裏側について、KAMEDA、YAMAMURA、SAKAIの3人に話を聞いた。

取材・文 / もりひでゆき

調子こいてここまで来れた

──1stシングル「It's Alright!」のリリース以降、THE TURTLES JAPANはどのような動きをしていたのでしょう?

「風花」ビデオクリップのワンシーン。

KAMEDA(B) ひたすら曲を作り続けていた感じですね。イベントに出たり、まさかのメンバーチェンジ(笑)があったりした中で、THE TURTLES JAPANをどれだけ進化させていくかっていうことをみんなで話し合いながら曲をずっと作っていたという。

YAMAMURA(Vo) うん。「It's Alright!」以降、短期間ではあったけどユニットとしての活動を重ねていくうちに、自分たちのやりたいことがより明確になってきたんですよ。目の前の霧が晴れていく感じというか。だからこそ曲がどんどん生まれていったし、それをレコーディングしていくのがすごく楽しくて。「It's Alright!」もリミックスというか、ちょっと手を加えたりもしたよね。

KAMEDA アルバムに入れるにあたって、ちょっとやり直したもんね。

SAKAI(G) そういった作業をしてる中で、自分たちがどんどん進化してるなっていう思いはすごく強くなっていって。

──その進化の理由って、具体的にはどこにあったんでしょうね?

KAMEDA やっぱりライブの経験は大きかったと思いますよ。まず最初に、大阪城ホールのイベント(昨年10月10日に開催された「MBS音祭2014」)でお披露目をしたんですけど、そのときに自分たちの音楽性をブラッシュアップできるような経験をさせてもらえたというか。ステージ上で強い照明を浴びてパフォーマンスしたことで、もっともっとビートを強くしなきゃダメだなとか、デジタルサウンドをもっと押し進めてみようとか、そういうことが具体的に見えてきて。

──なるほど。

KAMEDA で、昨年末に出た「RADIO CRAZY2014」や「COUNTDOWN JAPAN 14/15」では、曲をノンストップにつないじゃうようなこともやったんですよ。

SAKAI MCもなしでね。

KAMEDA うん。そうしたらね、お客さんがみんなすごく喜んで受け入れてくれたんです。こんなよくわからないどこかの部族みたいな格好してるのに(笑)。そういう経験があったからこそ、自分たちがやるべき音楽性がより明確になっていったし、「もっともっと」っていう気持ちが強くなったことで細胞分裂が起こって新しいものもどんどん生まれてきた。気持ちとしては「THE TURTLES JAPAN、いけるいける!」っていう感じでしたからね。そういう意味では、僕ら調子こいてここまで来れた感じがしていて(笑)。

「風花」ビデオクリップのワンシーン。

YAMAMURA あははは(笑)。でもほんとにそうですね。僕らとしてはむしろ「これ受け入れられるのかな?」っていう不安がつきまとうくらいの飛び抜け方、尖り方を目指してきたんだけど、実際にフェスなんかでいろんなお客さんの前で楽曲を披露してみると、僕らとの思いがしっかり合致してる感じがあったんです。

──それは、THE TURTLES JAPANとして掲げるポジティブなメッセージが受け入れられたことの証明でもあったわけですよね。

YAMAMURA まさにそうですね。「つらいことばかりある世の中だからポジティブなことを突き詰めようぜ」っていう僕らの音楽性は、ある意味で浮世離れしていると思っていたんですけど、それがしっかり受け入れてもらえたわけで。フェスなんかでは僕らの名前も知らない人が大勢いたと思うんですよ。でも、その場の空気をすごく心地よく感じてもらえたような気がしたんです。あえて時代のムードにすり寄らないことが、結果的に人に寄り添えることになるのかもっていう発見もあったので、改めてこのユニットとして突き抜けることができるようになったんだと思いますね。

KAMEDA これは僕のイメージなんですけど、THE TURTLES JAPANってカゴの中に5匹の犬がいるような感じだと思うんですよ。そのワンちゃんたちがピョンピョン飛び跳ねたりとか、それぞれが勝手なことをしてるっていう。で、実際のペットを眺めているのと同様に、この5匹のワンちゃんたちがみんなでじゃれあって、楽しくやってる姿を見ることで、しんどい世の中を生きる皆さんが心地よい空気を感じ取ってくださるっていうことがあるんじゃないかなって。

──なるほど。音楽性、メッセージ性よりも前に、そのユニットとしての佇まいが聴き手に元気を与える存在であると。

KAMEDA そうそう。純粋に音楽を楽しんでいる、楽しいことをやっている姿にはそういう力があるんじゃないかなと。で、もちろんその上で僕らならではのサウンド、音楽がそこにはしっかり存在していくっていう、そんなイメージで活動している感じがあるんですよね。

1stアルバム「ELECTRONIC HUMANITY」/ 2015年4月8日発売 / 2484円 / A-Sketch / AZCS-1044
1stアルバム「ELECTRONIC HUMANITY」
収録曲
  1. It's Alright!
  2. 10/10
  3. Jerassic
  4. 風花
  5. 十二単
  6. AB LOVE LOVE
  7. JAPANESE SPIRITS pile-up
  8. ELE!!!
THE TURTLES JAPAN Zepp Tour 2015「ELECTRONIC HUMANITY」
  • 2015年4月15日(水)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2015年4月17日(金)大阪府 Zepp Namba
  • 2015年4月21日(火)東京都 Zepp DiverCity TOKYO ※SOLD OUT
THE TURTLES JAPAN(タートルズジャパン)

音楽プロデューサーの亀田誠治(KAMEDA)、flumpoolの山村隆太(YAMAMURA)と阪井一生(SAKAI)を中心に結成されたユニット。2014年10月に大阪・大阪城ホールで行われた「uP!!!presents MBS音祭2014」で初パフォーマンスを披露。奇抜なビジュアルと、ポップかつスケール感のあるサウンドで話題を集める。2014年11月に1stシングル「It's Alright!」をリリース。同時期よりレミオロメンの神宮司治(JINGUJI)とシンガーソングライターの磯貝サイモン(ISOGAI)を含む現在の編成となる。2015年4月に1stアルバム「ELECTRONIC HUMANITY」を発表。同月に3日限りの初のツアーを東名阪のZeppで開催する。